ミュージアム解体と謎の魚と

 仙台旅行を切り上げてまで行ったマリン。どうしても見ておきたいものがありましたから、急遽寄ることにしたのですが・・・
 今年、マスコットのクールが卒業しました。さめをモチーフにした新マスコットを登場させるという話でした。ペンギンのクールが卒業し、マーくんファミリーはマーくん、リーンちゃん、ズーちゃんのカモメ3人になりました。
 ところがオープン戦になっても新マスコットの話が出ませんし、そのまま開幕してしまったので「ああ、ロッテはお金がないので新マスコット作るお金がないんだ」とか「昔と違ってマスコットに力を入れているわけでもないので新マスコットを登場させるといった話自体忘れてしまったんだ」とか「結局クールがリストラされただけじゃないか」と悲しく思っていました。それが今年の開幕のこと。
 それから遅れること、5月下旬に新マスコットが発表されるという話を耳にしました。私はなんだか胸騒ぎがしました。
 私自身はマーくんが好きで、次にリーンちゃん、ズーちゃんで、クールは4番目に好きでしたのでそこまで思い入れがあったわけではありません。が、クールを卒業させる以上、クール以上のかっこよさ、かわいさを求めるのは当然ですし、クールファンの方ならきっと新マスコットがクール以上じゃないと納得しないでしょう。
 ところが・・・発表されたのは魚に人間の足がはえたマスコット。
 私は生まれて初めてマスコットを見て吐き気がしました。
 まず、スタジアムのビジョンに魚が登場し、根暗で陰湿な口調でしゃべったかと思ったらグラウンドのセンター後方のフェンスが開いてマスコットが登場する。ちなみにビジョンに登場するのが第一形態でマスコットとして登場したのが第二形態だそうです。
 私は直接、現場にいたわけではありません。インターネットの記事等で知りました。私の感想は吐き気でしたが、他の方はマリーンズがとうとうあほなことやった、まるっきり人間の足が出ていてマスコットの出来損ない、よくこんな不良品を世の中に出せたもんだ等といったバカにするものが大勢でした。
 バカにされるのと「おおっ!すごい!」と話題になるのとでは意味合いが違います。思いっきりコケにされたのを千葉ロッテは話題になったと喜んでいるのかと、こんなの気違い沙汰だと思いました。
 マリーンズは決して強いチームではなく日本一になったのも実際はシーズンでは2位や3位からの勝ち上がりで1位で優勝したことがない唯一のチーム。一番有名なのはプロ野球記録となっている18連敗。
 弱いチームを応援しているファンにとって誇りだったのはユニフォームがかっこいいことと12球団ナンバーワンとも言われるマスコットのかわいさ。それが弱いチームを応援するファンにとって心の支えであり、拠り所でした。弱いチームってバカにされますから。でも、ユニフォームはかっこいいだろ!とかマスコットは凄いだろ!なんていうのが自慢でした。でも、それが今回・・・
 みんなにバカにされる。それは気持ちのいいものではありません。悔しくてたまらない。だから、私は吐き気がしました。
 それでも・・・まあ・・・見慣れればなんとかなるのかも・・・と思った矢先、今度は第三形態で魚の部分がとれて中から骨が登場。
 これも現場で見たわけではありませんが、こんなキワモノ登場させてどうするんだと思いました。本当に人を馬鹿にするのもいい加減にしろと思いました。
 以上が私の感想です。それでも、直接、この目で見ないことには評価はなんとも・・・と思って勇気を出してマリンに行くことにしました。

 直接見た感想は、これがクールのなれの果てかと思うと悲しくてバカバカしくて、もう球団自体身売りして消えてなくなればいいのにと思いました。
 単体で成立しないキャラで他のキャラにいじってもらって初めて笑いがとれるキャラ。そんなキャラいらないと思います。例えるなら交流戦でつば九郎に蹴られるためだけに生まれたキャラみたいで。
 昔、日本ハムのB☆Bがファイティーを卒業させてまで登場した新キャラとして登場した際、いろいろ言われました。かなりひどいこともファイティーが好きだったファンに言われました。でも、彼はグラウンドでのパフォーマンスやファンとの触れ合いで見事に評価をひっくり返しました。でも、この謎の魚はグラウンドにしか出てきませんから、ファンとの触れ合いで評価をひっくり返すのは無理でしょう。また、触れ合いもしてほしくないです、こんなキャラ。
 ひとつ救いだったのは動きからいって中身がどう考えてもクールなので「クールがリストラされたわけじゃないんだ」って思うことができたこと。それが唯一の救いです。でも、昔、プロレスで藤波辰巳が覆面レスラーに「お前、平田だろ!」と言ったように「お前、クールだろ?」なんて言う気はありません。そんな気軽に声かけられる存在じゃないんですよ。
 それにしても堪えました。生理的に受け付けないというものってあるのですね。まさか、マスコットが好きな私がマスコットで精神的なダメージを負うことになろうとは・・・

 ここは私の作っているホームページなので私の感想を述べましたが、謎の魚自体はグッズの売れ行きは好調でファンには受け入れられているみたいです。それから、マリーンズファンの反応もエスプリがきいていて「おまえ!三枚におろしてやる」とか「三枚におろす前に骨になるとは用意がいいな」とか「マリーンズの順位が最下位だから海底に潜むあんこうにしたのですか?」とか笑いで飛ばしていこうとするたくましさがありますね。私には無理ですが・・・
 今回の件は結局のところ、ファン層の大幅な入れ替え、マリン大改革だと思っています。私は弾き飛ばされることになりましたが、新旧入れ替えというのは必要なことかもしれませんね。




      


 仙台へ行ってからマリンのステージを見ると違和感を覚えます。よそではステージがあってファンが見ているという感じですが、マリンでは柵や三角コーンが置いてあったり何やら警戒厳重ですね。昔はこうではなかったと思うのですが、いつの間にか、こうなっていました。
 私はそんなに無理してまでダンスショーなどをやらなくてもいいような気がします。戒厳令下でのステージなんて聞いたことありませんし、昔のようにファンとの心地よい関係が築けなくなっているなら廃止でもいいと思います。それはファンの安全面もそうですし演者の安全面も考えてです。無理してまでやる必要とか、そこまでしてまでやる必要ってあるのかなと思います。
 それと今年、マリンの名物であるキャラクターショーはやったのでしょうか?ダンスショーは今やどこへ行ってもやっているぐらいポピュラーですが、キャラクターが主役のキャラクターショーはマリンの売りであり、マリンでしか見られないここだけのものでした。そのような大切なアイデンティティーをこの球団はいったいどうしようとしているのでしょうか。

 まだ、気になる話はあります。今年、マリーンズミュージアムを解体しました。一応は解体ではなくショップにして展示物を球場内とショップ内に分けたリニューアルということになっていますが、どう見ても解体してグッズショップにしたという風にしか私には見えません。多くのファンにもそれはそう映っているでしょう。
 これは身売りするんだ・・・本気でそう思います。屋敷に美術品が飾られていたのが建物がなくなり中にあった美術品がオークションにかけられているような・・・そんな事態に非常に似ています。
 自分がよく知っていた場所がなくなるというのは寂しいものです。




      


      


      


      


      


 今年、私はファンクラブをやめました。過去、いろいろありましたから。なんというか、名古屋から千葉マリンに何回も通って、時には30試合近く通った年もあります。年間シートを2年つづけて買ったことがあります。2010年、2011年のことです。1年目こそ年間シートのオーナー名表示のところに私の名前が載りましたが、2年目をどうしようかと思っていた際、球場で営業の人が年間シートの販売案内を行っていました。その営業の人が言うには本名以外でも「マーくんファンクラブ」とか「マーくんを愛する会」とかでも載せられることが可能ということでした。なので、2年目も年間シートを購入しました。ところが・・・購入後、電話で本名以外は載せられないという話が球団職員からありました。球場で私に声をかけた営業の人は私にいい加減なことを言ったわけです。なので、泣く泣く「では本名で載せてください」と言いました。ところがです。その年の年間シートオーナー名表示のところに私の名前が載せられることはなかったです。つまり、私に電話をしてきた球団職員もいい加減だったということです。
 お金って凄く大事です。何をやるにもお金が必要です。チームの運営、選手の給料、キャラクターショー、ダンスショー、イベント、何をやるにもお金が必要です。チームのことを好きでお金を出すファン、チームのことを気に入ってくれてスポンサーになってくれる企業、団体、そういったお金を出してくれるところにこんな対応では、せっかくキャラクターショーやらダンスショーやら球場へ行かなくては見れないお楽しみイベントをやって人を呼ぼうとしても駄目なんじゃないでしょうか。営業の人がいい加減だとファンの心は離れます。自分が言ったこと、約束ぐらいはせめて守らないと駄目ですよ。なので、私は年間シートの購入をこの年限りでやめました。
 私は恥ずかしながら毎年、マスコットに何かしらプレゼントなどしていましたが、ある時からマスコットに渡すプレゼントが以前の手渡しから係員に直接渡すという形になりました。まあ、その方がマスコットも係員も楽なんでしょうけど。ただ、これはどこの球団もそんなバカなことやってないんですよ。例えば、スポンサーが選手に何か贈呈する際、手渡しです。その後、すぐに横にいる係員に手渡しますが、最初からスポンサーから係員に渡すなんてことはしていません。面倒でもそれがセレモニーというものです。ファンの心と心をつなぐ時も同じなんじゃないですか?でも、この球団はある時から楽なやり方を選択しました。それだと気持ちという部分が入らないので郵送でもいいような気がします。あと、サインなども直接サイン色紙を手渡して目の前で書いてもらうというのがファンにとってもありがたいのですが、効率やら楽な事務処理を考えたら、あらかじめサインを書いておいて、それをファンに無償か有償で配って、いっそのことファンサービスは写真撮影だけにしておいたらどうでしょう。手渡しできなくなったことは私にとっては何か物凄く寂しい事件でした。
 キャラクターの出待ちをしている時にアルバイトか何かのスタッフに不審者扱いされたこともあります。そりゃ、まあ、私のような年齢でマスコット、マスコットと言っていればそうでしょうね。でも、あからさまに不審者扱いをされたら嫌になりますよ。
 また、これが一番堪えますが、どれだけ応援しても、どれだけお金を落としても、チームは強くなるどころか悲願である1位での優勝も見れなかったし、挙句の果てに自慢のマスコットがあんな形に・・・こんなことのためにお金を落としていたのかと思ったら非常に空しくバカバカしくなりますよ。

 ここではいろいろな思い出がありますが、一番良かったのは2010年ですね。2009年限りで旧応援団が解散する事態がありました。2009年までいたバレンタイン監督&旧応援団と球団側が対立していましたから。名物の応援がなくなるということで球場に来る人が激減するんじゃないかとファンだけでなく球団側も不安だったと思います。結果、パパイヤ団長と呼ばれる応援団長(ジントシオさん)を球団側が連れて来て球団職員が球団旗を振るという信じられない出来事が私の前で起きました。その年のオープン戦は本当に凄かったです。外野席に球団職員や球団MC、球団チアがいてファンと一体となって応援をしていました。立場を超えた人たちが本当に一つになった時でした。それを目の当たりにしましたが、これはどこの球団も絶対に真似できないし、どこへ行ったって経験できない夢のようなひとときだったと思います。それが一番の思い出です。もう、それを知る者も少ないでしょうが今日のおもてなしよりも物凄く印象に残っています。
 さて、マリンは今やファン層の大幅な入れ替え時期に差しかかっています。移転も一つの手だと思います。
 千葉マリンスタジアムはビジョンが出っ張っている構造なので外野席のセンター寄りからはビジョンがまったく見えずに苦労したことがあります。はっきりいって欠陥だらけの球場です。もともと川崎にあったロッテオリオンズが千葉に球場があるからということで移転しただけでスタジアム設備が素晴らしいから移転したわけでも千葉に親会社の由来があったわけでもありません。
 球場は海浜幕張駅から遠く、球団側が最初、無料のシャトルバスを用意していました。今でこそ100円の有料バスになりましたが、昔、あれは無料でした。
 関東には駅から歩いてすぐのスタジアムが多く、横浜球場、東京ドーム、西武球場、神宮球場とライバルも多く、わざわざ都心から離れた千葉まで野球を見に行く人も少なかったです。
 物凄く不利な条件の下、今の今まで球団職員は観客席を埋める努力を続けて来られたと思います。しかしながら、構造上の問題は覆せないんです。
 また、二軍のイースタン、ウエスタンが現状、7球団と5球団で運営が難しいということもあります。そういう意味でも関東から西へ移転して二軍の運営もしやすくするというのはリーグ全体にとっても利益になります。
 今年、私は静岡へ二軍のオールスター(フレッシュオールスター)を見に行きました。二軍の若手限定なので、ほとんど世には知られていないメンバーにも関わらず、また、平日開催や雨天だったにも関わらず、多くの観客を集めました。
 こうした今まで野球をなかなか生で見られない地域こそ活路が需要があると思います。大阪球場を本拠地とした南海ホークスを買い取り、福岡ドームへ移転しパリーグの巨人と言われる人気を築いた福岡ダイエーホークスしかり、東京ドームから北海道へ行き札幌ドームを本拠地として大人気球団になった北海道日本ハムファイターズしかり、宮城球場へ移転し東北になくてはならない球団となった東北楽天ゴールデンイーグルスしかり。
 移転したチームは皆、成功しています。もちろん、移転元年は初めて生で野球に触れられるということで移転バブルという人気もあります。でも、移転元年の人気のうちに次々と人の心をつかむ手をうっていけばいいのです。福岡や札幌や仙台がそうであったように。球場の改修もやりましょう。やるからには日本一の球団を目指して。
 20XX年、静岡草薙マリーンズで反撃開始です。その時は真のおもてなしでファンの心を包みましょう。それでは、その日まで、しばしのおわかれ。