世界マスコット紀行〜思い出に残るグリーティング〜

 4月25日、東京ドームへ向かった目的はこれでした。この日、行われた試合は楽天×ロッテ。仙台に行かないと会えない楽天のマスコットがやってくる。名古屋からたった2時間の東京ドームで会える。クラッチ、クラッチーナ、そして、2016年4月デビューの新マスコットのスイッチもやってくる、そう予想してのチケット購入でした(しかも内野、外野の両方)。ええ、普段のホームと違うのであらゆる事態に想定するために購入しました。全然、無駄な買い物だと思っていませんよ。
 なかなか簡単には仙台に行くことができないので昨年はコンタクトをとることがなく、実は今回初対面。スイッチはどんなマスコットなのか、わくわくして待っていました。
 とその前に、まずはこのことから書かなければなりません。最初、球場外にステージがあって人が集まっていたのでそちらへ出るのかな?と思い、私は外で待っていました。ステージの準備のため、スタッフが登場。その際に男性スタッフに尋ねました。「マスコットは来ますか?」
 するとどうでしょう。「ステージには来ないですよ。」と回答。さらに「ちょっと確認しますね。」と言い、わざわざ電話でどこに出てくるか聞いて下さるという超親切な対応。「22番ゲートのところでグリーティングをやるそうです。」
 この男性スタッフの対応には正直しびれました!!プロ中のプロ!!他の球場だと「わからない。」の一言だけで終わることが多いです。スタッフなのにスケジュール把握してないのか、という突っ込みもしたいところですが、概ねそんな感じです。一平くんなどのようにスタッフが「まもなく一平くん来ますよ」とか「○○の時間帯はピッチでイベントです」とか把握している人もしくはファンに応えられる人が実に少ないんです。このあたりは自分のところのマスコット愛がどれだけあるかということにも正比例しているのかもしれませんね。
 話をもとに戻しましょう。あの男性スタッフの方のとられた対応はとても素晴らしいものでした。私は感動しました。あなたのおかげです。あなたは私の命の恩人です。ありがとうございます。この場をお借りしてお礼申し上げます。
 さて、ステージ待機から全力反転。入場列待ちに加わります。22番ゲートだと内野席のチケットを使った方が早いです。これも計算でした。これが二枚入手の利点。名古屋から遠征してマスコットに会えずに終わるなんて悲劇を避けるために必要な技なんです。それでも、ファンに厳しいスタジアムもある昨今ですから最善の策は持っていないと。

 いよいよ、中へ。感動の対面です。初めてのスイッチは凄かったです!!とにかく動き回りすぎ!!写真がぶれる、ぶれる!!でも、楽しい!おもしろい!カメラを向けると気づいて近づいて、近づきすぎてドット絵みたいに♪全力でファンに向かってくる、会話してくる。こんなマスコット久しぶり!!超大物マスコットだ!!!
 一緒に記念写真撮ろうよって言ってるのに抱きついてきたり面白すぎっ!!なんとか無事撮影するも動き激しい。絶対これ落ち着きなくて学校の成績とかよくないタイプでしょ。なんて思っただけでなく言いましたが本人は激しく否定。こういうやりとりもいいですね。私の言いっぱなしじゃなく、ちゃんと食いついてくる。素晴らしい対応です!!ファンとの会話を楽しめるマスコットなんです♪
 そればかりではありません。スイッチが加入したことにより他のマスコット、クラッチ、クラッチーナもいきいきと!!正直、クラッチやクラッチーナってこんなに面白かったっけ?って思ったほど!!これこそが醍醐味♪新しいマスコットが入ったことで素敵な化学反応が起きる♪それぞれの個性が弾けて才能が開花する♪
 まさか、クラッチに「帽子とれるの?」なんて言ったら、わざわざとって私にかぶらせようとするとは!!すごい!!こんな対応、初めてだ!!
 マスコットが光り輝いただけではありません。実はスタッフの対応も物凄かったのです。記念撮影の列を作って撮ろうと思ったら、お付きのスタッフが「ぜひ、話かけてみてください」と。なんでも「列に並んでいるだけでは写真は撮れませんよ」とマスコットと対話して写真を撮るように促します。
 これには参りました。たしかにそうでした。マスコットも何も言わないとどこかへ行こうとする素振りを見せます。「写真いい?」と会話をしてみて初めて記念撮影の流れになる。その時、スタッフがすっとカメラを持って記念撮影してくれるんです。
 この形式は凄いですよ。話しかけることでそれぞれのファンが特別な思い出の時間を作ることができる。単に列に並んでベルトコンベアのごとく流れ作業で撮影して終わりじゃないんです。ベルトコンベア形式だと画一的な写真撮影の流れで終わりですが、それぞれのファンがマスコットに話しかけることで、会話することでそれぞれの受け答えになり特別な思い出になるのです。
 これにはしびれましたよ。この形式を思いついた人は天才ですね。また、お付きのスタッフも凄い。クラッチに「このお腹には何がつまっているの〜」なんて話しかけたら「あのお腹には夢と希望と勝利がつまっています」なんて受け答えを。
 ただのお付きじゃないんですよ。その場に入ってくるんですよ。これも素晴らしいですね。ただの流れ作業にしない、楽しい場を演出する。お付きのスタッフはプロ中のプロですね。これにはおそれいりました。
 この時、私は思いました。今年、このチームは日本一になるかもしれないと。
 球団創設以来、試行錯誤があったと思います。その末にたどり着いた高みを狙う姿勢。これはチーム成績だけでなくファンサービスの部門でもそうなのでしょう。日本一を狙っている。そう感じました。
 最高のパフォーマンスをするマスコットがいて、それを支えるスタッフがいる。実はマスコットを生かすも殺すもお付きの人次第。それを十二分に知り尽くした上でのこの配置なんでしょう♪
 これほどのものを見せられては・・・再び、仙台を訪れねば!そう思った私でした。




      


   


   


   


 それにしてもマスコットはいいものですね。人々をたちまち笑顔にしてしまう。さらに、この場には楽天、ロッテのファンの他、ヤクルトや西武、横浜のファンの姿も見えました。リーグが違ってもチームが違っても引き寄せてしまうマスコットの魅力。垣根を越えた関係を作れるのもマスコットの魅力ですね。
 ちょっとしたオールスターゲームのような感じでした。本当に素晴らしい場を作り上げましたね。楽天の本気度に脱帽です。