チーム愛媛が起こした奇跡

 一平くんが熱烈に応援するも試合は残念ながら愛媛FCの負けに終わった。
 でも、私はこうも思っていた。たしかに試合は負けた。でも、もっと大きな戦いには勝ったのではないだろうかと。

 試合前のファンとの触れ合い、特別な時間。「一平くんは譲れない」なんて名言も生まれた。彼が登場するやいなや、彼がいるところ、なんでもないただの場所がエンターテイメントなスペシャルステージに変わった瞬間。真のスーパースターにとってステージなんていらないことがわかった瞬間。彼がいる!そこがステージなのだ!そして、その場所を劇場に変えていく♪
 才能に自由をプラスすると芸術に変わること。ダヴィンチもミケランジェロもラファエロもこんな展開は描けなかっただろう。自由でいきいきとした動き。寸分先も読めぬ展開。もちろん、暴れるだけでない細やかな心配りもある。例えば、ファンからのプレゼント。それを後日ツイッターに写真としてあげていた。こうした何気ないことにファンは”絆”を感じるんだ。ささいなことかもしれないがファンがどうすれば喜ぶかを知っている。ファンとのやりとりもそうだが、一瞬のうちに人の心をつかんでしまう。それがスーパースターのスーパースターたるゆえんだろう。
 それだけでない。彼だけでない。彼の動きに刺激され他のマスコットまでもが躍動する。スーパースターがスーパースターを連れてくる。彼がタクトを振るうと旋律が流れる♪たちまち名曲が生まれる♪こんなのバッハやショパンやシューベルトだって無理だ。
 そして、スーパースターを支えるスタッフもスーパースター!「え?ここまで時間をとってくれていいの?」ってぐらい時間をとって多くの人がスーパースターとの時間を共有できるように配慮してくれたし。それだけでなく、みんな生き生きしてた。
 「今!一平くんが来てますよ!」なんてコール。すっごく一平くんが好きなんだと思う。そして、一平くんとの楽しい時間をぜひ♪って気持ちがあふれてくる。
 伊予柑太に「うわっ!顔色悪そう!凶悪そうな顔!」なんてファンが声をかけると「ほら顔色悪そうでしょ♪愛媛の悪いみかんです♪」なんてエスプリのきいた答えを返すスタッフ!頭の回転が速い♪知的なトーク爆発♪こういう自由な雰囲気、冗談が飛ばせるって素晴らしい♪だからこそ、笑いの輪がどんどん広がって、その場がどんどん楽しくなっていく。
 冗談だけじゃない。グッズの売店でファンが「伊予柑太のグッズないの?」なんて伊予柑太に声をかけ、伊予柑太が頭をかかえた瞬間、さっとスタッフが動いて受付にあった伊予柑太のぬいぐるみ(非売品)をさっと渡す♪もうね〜みんなが躍動している♪みんな仲良しっていうか、あのチーム、チームワークが凄い!みんなマスコットのことがめちゃくちゃ好きなんだろうし、ファンとのこういうやりとりが大好きなんだろうね♪だからこそ、その場を楽しくさせる言葉がぽんぽん出てくる。
 また、ファンも素晴らしい。この場の雰囲気に溶け込み絶妙なかけあいをする。すると!さらに場が面白くなる。ファンもまた輝き始めるのだ。あの場が奇跡的だったのはここである。スーパースターだけでなくスタッフもスーパースター、そしてファンも輝く。夢の時間。そう!いつの間にか我々はオーケストラとなっていた。みんなが輝き躍動し夢の時間を演奏していた。こんな名曲、ヴィヴァルディ、ベートーヴェン、モーツァルトだって作れやしない。ベルリン・フィル、ウィーン・フィルもびっくりのオーケストラ♪見ず知らずの人たちが奏でた旋律、協奏曲(コンチェルト)♪
 スーパースターはスーパースターだけでなく周りもすべて輝かせてしまう♪あの弾けんばかりの笑顔♪みんなを笑顔にしてしまう魔法の時間♪

 これが世界一受けたいカエルの授業なのだ!私は感動した!最高!
 一平くんがいて他のマスコットも躍動し、スタッフもこの時間を楽しみ場を盛り上げて♪だからこそ、みんな笑顔でスーパースターとの時間を心から楽しみ、笑顔で帰れるのだと思う♪
 みんなが笑顔になり、そこにいた人みんなが輝いた瞬間。その日、千葉はアートの街となったのだ。みんな躍動する光り輝く芸術だった。
 神は死んだとニーチェは言ったけど神はここにいた!一平くんが神なんだ!

 この日、試合は負けたけどチーム愛媛は大勝利だった。なぜなら、みんなを笑顔で帰したから♪
 あんな奇跡はイエス・キリストだって起こせやしない!
 平成27年10月4日、あの日、チーム愛媛が起こした奇跡を僕らは絶対に忘れない。
 なぜなら、僕らは未来永劫語り継ぐべく歴史の目撃者となれたのだから♪