世界一受けたいカエルの授業(前編)

【前回までのあらすじ】神の啓示を受け、まるで何かに導かれるように蘇我へ向かったサンダー。そこで待っていたものとは・・・

 蘇我へ来てしまった私であったが私はマスコット界の唯一神と言われるマー様を信奉する敬虔な信徒である。彼の脅威となるマスコット、存在を脅かすマスコットは早目に摘み取っておかねば!そう思い、風船でふくらました刀を持って参上しました。刺し違える覚悟で蘇我へ向かったのです。この命、ここで尽きても悔いはない。この命、果てるまで!いざ出陣!突撃!ヤシャシーン!
 そんな複雑な気持ちが入り混じった10月4日、私が見たものは・・・そこで躍動するマスコットたちの光り輝く姿でした♪
 びっくり!驚いた!ドキドキが止まらない!トキメキも隠せない!きらめくその場所に君がいるから♪君がタクト(指揮棒)を振るとすべてが躍動し光り輝く♪そんな奇跡の瞬間がそこには広がっていました♪

 最初、一平くんには普通にサインをもらおうと思っていました。特に何もせず普通に「サインお願いします」って。一平くんは肉食系マスコットで知られ多くのファンは”彼に暴れること”を期待しているところですがサインは普通にもらおうかなって♪
 するとどうでしょう。カエルの一平くん、私が渡したサイン色紙を・・・「おいっ!おまえ!サイン色紙持ってろ!書きにくいだろ!」って(笑)♪たしかにそうである。あの手では持ちにくい。それにしてもいきなりの洗礼!ただでは済まないカエルの一平くんとの触れ合い♪
 サイン色紙を持たされた私ですが、その一方でこうも思っていました。こ、この感じ・・・何かに似ている・・・そうだ!マーくんに初めてサインをもらった時!あの時はマーくんがサイン書けるのを初めて知り「何かサイン書いてもらえそうなものないかな?」と思い、着ているユニフォームを脱いであわててサインをもらったのだが、あの時の!ユニフォームを無造作に渡した時の私に対するマーくんの対応♪「おまえ!ユニフォームの端っこ持って引っ張れよ!書きにくいだろ!」ってマーくんの対応と同じ!これはデジャブ!
 あの時!なんておもしろいマスコットなんだと思ったけど、それと同じ♪普通に友達感覚での会話♪ま、まさか、ここでデジャブを経験するなんて!
 サインをもらう時もまだ仕掛けが!わざと日付を忘れたふりをする一平くん。「えーと、えーと、なんだっけ?おいっ!おまえ答えろよ!」って感じで私の頭をバシン♪この人、ツボをわかっている!一平くん目当てのファンは一平くんと絡みたい、何かされたい、そんなファンばかり。ファンが何もしなくても一平くん自らその機会を作るとは!おそれいった♪
 また、一平くんの凄いところは男性女性差別しないところ。区別なくバシンバシン叩く、ツッコミを入れるところ。おかげでファンは大満足♪ちゃんとニーズを知り尽くしていてファンの心をつかんで離さない。
 普通のファンサービスもするがそれだけでは満足できないところがあり、ちゃんと暴れるところも魅せるという。なかなか隅々まで行き届いたファンサービスである。
 では、サインではなく記念撮影のシーンではどうだろう?この時はまんまと一平くんと伊予柑太に私の姿を隠されてしまった!やられた!その時は風船刀を持っていたが特に私は何もせず単なる記念撮影を装っただけなのに・・・(安心してください。その後で普通に記念撮影のシーンも撮ってます。そのあたりはさすが!チーム愛媛!スーパースター!)
 ちなみに私が所持していた風船刀は一平くんが後ろを向いていた隙に彼にバレないように斬っておいた。せこい!せこすぎる!我ながらせこい攻撃である。でも、まともにやると大反撃をくらってしまうので私の攻撃方針である”やり逃げ”に反するのであえてそうした(苦笑)
 それにしても、一平くんおそるべし!何もしなくても自ら何かをやってくれるのである。普通じゃ済まさない♪大切なファンとの思い出の1ページを演出する心憎い心づかいである。
 特に私が何もしなくても一平くんがいるところがステージとなる。
 それだけではない。彼の登場で他のマスコットまでもが光輝く。ジェフィやユニティまでいきいきとした動きを見せる。伊予柑太やみきゃんもそうである。こんなにおもしろいマスコットだったっけ。そう思ってしまうぐらい。
 さながらタクトを振るう指揮者である。彼の存在が刺激となり相乗効果が生まれる。
 スーパースターだ!自然と私の口からそんな言葉が出た。そう!一平くん、彼はスーパースターなのだ。そして、スーパースターの登場により他のマスコットまでもがスーパースターとなる。スーパースターがスーパースターを連れてくる♪魅力が能力が開花したのか、はたまた潜在能力を引き出したのかはわからない。ただ、これだけは言える。彼が”翼”を与えたんだと思う。自由の翼を♪だから、みんな生き生きと動くのだ♪
 それだけではない。光り輝いたのはマスコットだけじゃない!スタッフの動きも生き生き♪
 ファンが売店の品物を伊予柑太と一緒に見ていた時「伊予柑太のグッズはないのー?」なんて言うと、それを聞いて受付のところにあった伊予柑太のぬいぐるみ(おそらく非売品)をさっと持ってくる♪その動き、俊敏なり♪
 そして、ファンが伊予柑太を見て「うわっ、こわそうな顔、悪そうな顔」なんて言うと、スタッフが「悪そうでしょう♪愛媛の悪いみかんです♪」なんてノリのいい答えを♪この受け答えが素晴らしい♪みかんが愛媛のまじめなみかんなら、マスコットであるみきゃんは”愛媛のよいみかん”そして、柑橘類最強のゴールキーパーである伊予柑太は”愛媛の悪いみかん”♪このネーミング素晴らしい♪
 スタッフの言葉のかけ具合、絶妙である♪言葉の調味料、さじ加減ばっちりだね。いい料理作れそう♪
 こういう小気味よいセリフが出てくるのはスタッフの人が本当に楽しんでいるからだと思う。ファンとのやりとり、マスコットの時間、それを心から楽しんでいるのだと思う♪
 一平くんが登場するや否や、わっと人垣ができて彼のステージができる。何にもないところに彼がいるだけでステージができる。それをスタッフを楽しみにしていて「今!一平くんが来ていま〜す♪」なんて楽しそうにアナウンスする。
 やべえ♪めっちゃ楽しい♪私は当初の目的すら忘れ、すっかり楽しんでしまった。彼と刺し違える覚悟が、あやうく笑死、笑い死ぬところだった。
 漫画家の熊田達規先生もユニティと笑顔で記念撮影♪スタッフの人に「先生♪ドヤ顔じゃないですか♪」なんて♪本当に心からみんながみんな、この時間を楽しんでいて一平くんのことが大好きで、だから、この場がどんどん楽しくなっちゃうんだと思う。
 一平くんがスーパースターならスタッフもスーパースター♪そう感じた。そして・・・
 一平くんとのやりとりは、まだまだつづく。囲み取材っぽくなった際、スタッフがそっと売店にあったお菓子を渡す♪途端に一平くんによるファンへのふるまいタイムに変わる♪このあたりのやりとりも絶妙である♪素晴らしい♪どんどん楽しくなってしまう。
 ファンの合いの手もおもしろい♪私は基本この日は見ているだけであったが、周りにいたファンが何かしらおもしろいことを言った。そう!彼に刺激を受けてファンもまたスーパースターとなってしまうのだ♪
 こ、これが!世界一受けたいカエルの授業なのか!私は悟った。そう!いつのまにか私は世界一受けたいカエルの授業を受けていたのである♪
 スーパースターの登場で何もないただの無機質なコンクリートの空間がたちまちステージとなり、他のマスコットが光り輝き生き生きと演じてしまう♪スーパースターがスーパースターを連れてくる♪そして、スタッフもまたスーパースター♪さらに、その場にいたファンまでも輝いてしまう♪気づけば、あの場にいた人みんなが光り輝くスーパースターになっていた♪
 そんな奇跡の瞬間を私は目撃したのである。平成27年10月4日、あの日あの場で私が見たもの、それはマスコットたちが織りなす奇跡のステージだった。
 そんな瞬間に立ち会うことができて私は果報者である。また、制限時間いっぱいまで(なんだかんだいって時間オーバーしてまでファンサービスしてくれた)我々ファンに接してくれた皆さんには感謝、感謝である♪