「10・4予告編」幻のインビテーションカード

 ある日、私の元に招待状が届いた。ただのファッションショーの招待状かと思った私であったが、よくよく心の眼で見たら、そこには「才能が自由を得た時、それは芸術となる。10月4日、千葉、蘇我、そこであなたは目撃者となる。」と語りかけてくるインビテーションカードであった。10月4日、千葉の蘇我で何があるのか。
 その瞬間を目撃するとは何なのか?ふと、頭をよぎったのが一平くんであった。カエルの一平くん。たしか彼は当世一のマスコット。マスコットの追っかけ、研究から既に一線を退いたはずの私の元へ届いた案内状。不思議なことに読み終えた後、気が付くと元の単なるアルマーニのファッションショーの招待状となっていた。たしかに読んだ時は私あての挑戦状?いや、おとぎの国からのインビテーションカードとなっていたはずなのだが・・・
 粗悪な捏造になってしまうが、その時の私の心境を再現したのが「一平くんの」という付けたしである(大ウソ)。決して私が捏造した粗悪な招待状でないことを念のため申し添えておこう。
 私にルポライターとしての役割を求めたのか、はたまたジャーナリストとしての役割を求めたのかはわからない。けれど、その答えは蘇我にあるはずだ!そう思った私は新幹線に飛び乗り、気づくと蘇我行きの電車に乗っていたのである。
 これから先、繰り広げられるドラマがどんなものなのか、その時はまったく想像すらしていなかった。ただ、私は私あてに届いた幻のインビテーションカード。そう、たしかに私の心の目には見えた幻のインビテーションカードが私を呼んだ意味、そして、私に求めた役割を考えていたのである。